« 3DサラウンドPC製作 その3 改装前棚卸し | トップページ | 3DサラウンドPC製作 その5 黒とメタリックの世界 »

2011年1月23日 (日)

3DサラウンドPC製作 その4 屋外用巨大ラジエター

今日は屋外用ラジ構築の報告です。

屋外にラジを置こうと思ったのは、今の無茶苦茶に寒い冬にふるえているだけでなく、この寒波を何か有効に使えないか、と思ったことが発端です。くだらない?
ただ、考えみると夏場も、部屋の中でクーラーをガンガンに効かしている時は、屋外機は意味がない、むしろ太陽熱温水器にしかならないのですが、クーラーを切って戸締りして出かけている間に長時間エンコードなどを回していると、部屋の中の温度は軽く40℃を超えます。
こうなるといくら水冷で作り込んでも、部屋の中に熱が溜まっていくだけなので、どうにもなりません。そういう時に屋外機を日陰に置いて排熱させれば、かなり状況は改善されるのではないかと思います。
 (まあもちろん、お金持ちならクーラーをつけっぱなしで外出すれば良いのですが、今やエコの時代ですので。)
ということで次の写真ような屋外機を製作しました。

Outdoor_radi_2

スタンドはドンキホーテで安売りしていた折り畳み式テーブルを使ってますが、耐候性と日よけを考えて、木製の天板を白いアクリル板に交換しました。
車用のラジにしたのは、安くて高性能ということもありますが、主に耐候性の観点です。

一時的なら良いのですが、永続的に使うとなると、外の雨や埃を想定していないPC用パーツだと厳しくなりますので、もともとそういう環境を想定している車用が適しているわけです。
そこで、オフ会ナカマで、昨年車用ラジでパワレポのコンテストでグランプリを獲得されたEricさんに、いろいろ教えてもらいました。車用ラジをPC用水冷機器と接続するにはいろいろノウハウがあるのですが、おかげで写真のように、すんなり出来上がりました。

Photo

この屋外機の効果で水温が30℃以下に下がると、水冷用ファンコン((KOOLANCE CTR-CD10)

_

の制御が効いてケースファンは最低回転数になりますので、自動的にかなりの静音マシンになります。
ただ、これだけファンを沢山(10個)積んでおきながら静音マシンを名乗ると、Ericさんにドツかれますので、、あくまで今回のマシンは「強力な冷却と割と静かな環境で、3Dサラウンドを楽しめるマシン」と名乗ることにします。ヽ(^o^)丿
注水完了Photo_2

その他、Tipsを3つほど。

1.ヒートエクスチェンジャ―
システムの概念図Photo_9

この概念図にあるヒートエクスチェンジャ―を使う事で、PCを動かしている最中でも、必要な時に必要なだけ(オンデマンドで)冷却能力を追加することができます。
モノはこれです。

Hyahoi
http://www.koolance.com/water-cooling/product_info.php?product_id=944
スペック表を見ると、4.0KWの熱交換能力という圧倒的な冷却性能で、実際ずしりと重く、銅とステンレスの固まりのようです。恐らく内部は、熱交換用の銅板と水路が交互に重なっている構造だと思われます。
まるでPC本体をチョバムアーマーで増加装甲したような形になりますので、敵の攻撃からも守ってくれそうですね^^

本来水冷でPCパーツを冷やす場合、できるだけ無駄な圧損を減らすことが重要で、またアルミ製のラジなどは水枕を傷める危険性があり、それなりの注意が必要です。その点、ヒートエクスチェンジャ―を使えば、そういう不安な要素を本体の水冷系と分離して、それでいながら冷却能力は十分に追加することができます。
もちろん、補助冷却系には長いチューブや着脱式のカップリングなど、いろいろ効率上問題のある構成になっていますが、そこは屋外機の巨大な冷却能力で補ってくれることを期待して、その心配よりも可搬性、構成の柔軟さなど、扱い易さに重点を置いています。

ただこのヒートエクスチェンジャ―、ネジ穴の位置など、一体どういう用途に作ったのか?疑問に思えるほど、独特の構造をしており、このままではケースへの取り付けができません。
Heatex

そこで、アルミ板を写真のように加工して、ラジの背負い用マウントに取り付けることにしました。
加工中Photo_3
取り付け後Heatexandpump
ちょっと取り付け部がごちゃごちゃしていますが、これでがっしりと固定されました。
また、補助冷却系やポンプリザとはカップリングで接続されますので、写真のように、PC本体だけを分離することができます。

A77f_2

これで本体の作業も非常に楽になります。

2.ラジエターファンについて
今回の車用ラジは、あくまでPCを積極的に冷やす用途ですので、ファンを使って効率よく冷たい空気を送り込む必要があります。
ただ、ラジエターに適した屋外用の電動ファンには、あまり手頃なものが見つからなかったので、いろいろ探したところ、ヤフオクで今回の電動ファン付きラジを見つけましたので、入手しました。オクとはいっても新品で、鹿児島にあるカー用品店が定常的に出品されているようです。

32cm100w
これは本来三菱車用互換ラジエター(CBA-H81W/82W A/T ファン付ラジエーター)で、ファンの直径は32cmあります。
このラジは日本車用なので、12V駆動には違いありません。ただ、どのくらいの消費電力でどのくらいの風量なのかスペック表もありませんでしたので、テストしてみました。

PC電源に繋いでみたところ、わわっ!物凄い勢いで風が吹き始めました!まさにグレートタイフーン、サスが車のエンジンを冷やすだけの事はあります。
しかしこれでは近所迷惑なので、電流値を測ってみたところ何と8A、、12Vなので、約100Wで回ってることになります。

8a_

かの山洋の超高速ファン、F12-HHHですら4Aですので、いかに強力なファンかがわかります。
こんな風は不要なので、ちょっと制御したいのですが、PC用ファンコンで8Aを制御できるものは見たことがありません。(水冷用ポンプの制御でもせいぜい3A程度)
そこで、電源を5V系に切り替えてみました。PC用ファンでは5Vで駆動できるものは少なく貴重な存在ですが、車用の機器は動作範囲が広いのではないかと思い。。
するとやはり、確実に扇風機の弱くらいの勢いで回りました。電流も2.5Aで、これなら電源にも負荷がかかりません。

25a_
なんとか形になりましたので、この形で使っていくことにします。

後日談)ファンの取り替えについて(2015/6/7)

この記事を書いた当時はPC製作自体が面白かった時期でもあり、ちょっと変わったものを作ってみようという目的も無いわけではなかった屋外ラジエターシステムですが、その後予想外に役に立ち、現在では家のそれぞれのPCを極めて静音に保ちながら外でまとめて冷やす、という冷却システムとして無くてはならないものになっています。(→ご参考

たださすがに稼動して4年も経つと冷却ファンがヘタってきたのか、暑い時の連続稼働などでキシキシと異音を発するケースが出てきました。
そこでファンを交換することにしました。

交換するといっても元々付いてるのはこのラジエター備え付けの専用ファンで、同じものが単体で売ってるのかどうかも判りませんでしたし、クルマ用品ショップなどをいろいろ探し回るのも面倒でしたので、ネットで見つけた汎用のラジエータファン

に取り換えることにしました。
ファンのサイズは30cm強で今までと大して変わらず、何より値段が3千円台なので、うまく使えればラッキーという気持ちで購入し、取り付けてみることにしました。

Currentexradi

今までのファンはシュラウドごとネジ3本で取り外すことが出来、その上で新しいファンを4角でタイバンドを(ラジエターフィンの隙間を通して割と頑丈なラジエターの枠に括り付ける形で)固定しました。

ファンは吸引方向で動かしますので、少しでも吸引効率が良くなりようにファンの端の隙間を隙間テープで埋めてあります。そんな感じで見栄えはちょっと落ちますし、また今までのシュラウドなしでラジエターを部分的に覆う形になるので、冷却効率が落ちないかの心配もありましたが、実際動かしてみるとその辺も殆ど問題なく、再び静かに冷やせるようになりました。
このように安い車用汎用ファンが使えるのなら、何も特殊なファン付きラジを探す必要もなく、最初から中古等で安いラジを入手するだけで良さそうですね。ちょっとした工作の趣味がある方なら、(PC水冷側のパーツがヒートエクスチェンジャなどいくつか特殊な点はありますがそこさえクリアすれば)割と気軽に作れると思います。

この記事は今でも時々参照ツイートしていただくこともありますし、冷却だけでなく静音化の効果も非常に高いです。
最近はデータセンター用の冷却技術として、従来の簡易水冷的な密閉型の水冷と熱交換器(=ヒートエクスチェンジャ)を組み合わせたものが盛んに提案されつつあるようですね。
(記事にある京などは旧来の重厚長大型ですが、ASETEKやCoolITが提案しているものがそれに当たります。)

こういったものは静音化が目的ではありません(結果的に今の掃除機のようなラックサーバ用空冷ファンは少なくて済むので静音にはなります)が、効率の良い冷却を考えていくと自然とそうなったのではないでしょうか?
水冷といっても昔のスパコンのような専用のチラーと重厚な配管は必要なく、二次冷却側に流すのは普通の水か、凍結を避けるとしても車用ラジエターと同じものを流せば良いですし、冷却は外気で(この車用ラジエターと同じ発想で)充分ということでエコ志向、設備上も配管の断熱等必要ありません。今後のトレンドとしてちょっと面白そうですね。

.
3.結露の防止方法について
今回、屋外ラジで水温を室温以下に下げますので、結露しないような制御が必要なのですが、そのために近くのホームセンターで、写真のツールを買ってきました。

Empex

この温度湿度計は、「空気中のインフルエンザウイルスの生存確率は、空気中の水蒸気量に反比例する。(低いほど長生きする)」という理論をもとに、色分けがされています。
写真で2本の針の交点が赤いエリアにあるときが、「インフルエンザが生存しやすい低い水蒸気量」ということになり、黄色がその次に用心すべきエリア、青のところにあればかなり安全と、説明書には書いてありました。

Photo_4
ここから科学の時間です^^
湿度は、その温度での飽和水蒸気量(これ以上増えると結露する水蒸気量)に対する、現在の水蒸気量を、%であらわしてます。
温度が高いと空気は沢山の水蒸気を含むことができ(=飽和水蒸気量が高くなり)、温度が低くなればこれが少なくなります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%BD%E5%92%8C%E6%B0%B4%E8%92%B8%E6%B0%97%E9%87%8F

したがって、同じ水蒸気を含んだ空気でも、温度を下げていけば湿度が高くなり、ついに100%に到達すると(空気が水蒸気をそれ以上保持できませんので)結露が始まることになります。
逆に言えば、過冷却の水冷で結露させないようにするためには、室内の水蒸気量で湿度が100%を超えないように、水温を制御すれば良いわけです。

さて、この温度湿度計の真ん中に書いてある色分けの境界線は、水蒸気量の「等高線」です。

加湿、除湿を一切せずに空気を単に温めたり冷やしたりすれば、水蒸気量は変わりませんので、針の交点はこの等高線に沿って動くことになります。

ただこの等高線、3本しかありませんので、それ以外のところは目分量でたどる必要がありますが、針の交点を等高線に沿って左に延長していって、湿度100%のラインと交わるところの温度目盛が、「今の空気がそれ以下になると結露する」温度になります。
(実用上は湿度100%だと、ちょっと部屋で熱いお茶を飲んだだけで結露が発生しかねませんので若干のマージンをもって、湿度80%に赤いラインを引いて、警戒湿度とすることにしました。)
例えば次の写真は、

Photo_5
火にかけたやかんの湯気の先にこれを置いたものです。この場合、等高線で辿ってみると

Photo_6

14~15℃で湿度80%となることが判りますので、過冷却にはさすがに危険な環境です。まあ、こういう状況はなかなかないと思いますが、部屋でナベをすると、このくらいいくかもしれませんね。

次の写真は、普通の室内の状態です。

Photo_7

これだと0℃前後でも大丈夫そうですね。

ペルチェや液体窒素冷却と違って、外気での冷却はあくまで外気温以下にはなりませんので、屋内の空気が適度に外気と換気されて、大きな水蒸気発生源もなければ、水蒸気量はそれほど外と変わらないので、結露の危険性は低いです。(出かけている間はあまり心配は要らなそうです。)

ただ、部屋に人が何人もいたり料理しているときは、水蒸気量が増えてきますので、この温度湿度計を時々水温計と見比べながら、結露の可能性があるときはファンコンで屋外機用ポンプを弱めて、水温を少し上げる、という運用が良いです。

こうすることで、従来はOCチャレンジなど一時的な利用しかできなかった過冷却システムが十分、常用可能になります。

そういえば、屋外機、車用ラジの利用ってのは、DOS/V POWER REPORTの過去2回のコンテストのグランプリ作品に、結構インスピレーションされてますね。
ただパクリ、という事ではなく、折角の独創的なアイデアをよりこなれたものにして、更に応用して普通の技術として活用していくのが、過去に受賞した方々へのリスペクトになるのではないか、と、我ながら思っています。

« 3DサラウンドPC製作 その3 改装前棚卸し | トップページ | 3DサラウンドPC製作 その5 黒とメタリックの世界 »

水冷PC」カテゴリの記事

コメント

とにーさん、どういった情報がお役に立てるかよく判りませんが、私の使ったラジエーターはファンが最初から付いていて、もともと電源コードは2本しか出ていませんでしたので、黒い方にGND、それ以外の方に+5Vを繋げました。
http://vladi.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2013/03/08/radiatorfancable1.jpg
本文にもありますが+12Vで繋ぐのが本来の自動車用品でそれも実際出来るんですが、あまりに勢いよく回りすぎるもので5Vで使っています。
ケーブル交換できるようにこのようなコネクタを使いました。繋いでいるケーブルは普通の電気配線ケーブルです。
http://vladi.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2013/03/08/radiatorfancableconnector.jpg
ケーブル交換することがなければ、このような圧着スリーブで繋ぐのが良いです。(ハンダ付け等は不要です。)圧着用工具もページの下の方にいくつかあると思います。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Ddiy&field-keywords=%97%87%88%B3%92%85%83X%83%8A%81%5B%83u+%93%CB%82%AB%8D%87%82%B9%97p
繋いだら雨に濡れても構わないよう、接続部をビニールテープでぐるぐる巻きにしておいてください。
PC側はリンク先の右上にある(普通の)4ピンペリフェラルから取っています。
http://blog-imgs-37.fc2.com/d/u/a/dualsocketworld/PIN-ATX12V-V1-3.jpg
こちらは黄色が12V、赤が5V、黒がGNDですので赤と黒を使っています。適当なペリフェラル延長ケーブルを途中で切って、上のケーブルに同じ方法で繋げばよいと思います。配線ケーブルが長いとどちらがGND側か判りにくくなると思いますが、不安な時はマジックなどでGND側を辿って印をつけておいてください。反対側に繋いでも危険はありませんが、ファンは回りません。
ラジエター用ファンはどのようなものを使われるのかわかりませんが、上の写真以外にいろいろケーブルが出ている場合は、正直何なのかわかりません。まあ電源ケーブルは太いのですぐ判るのではと思います。GNDが大抵黒です。
ちなみにラジエターやファンをこれから買う場合は、同じようなファン付きラジエターはなかなか売っていないので、普通の車用ラジエターにリンクのような後付けのファンを付けても良いと思います。
http://www.billion-inc.co.jp/billion2006/Fan/FAN_index.html
以上、判らないことあればいつでも。

はじめまして。
大変興味深く拝見いたしております。。
私も夏場に向けて貴殿ように車載ラジエータとファンを屋外に置いて冷却したいと考えています。大変申し訳ないんですが、車載用のラジエータファンの電源リード線とPC電源の接続についてお教えいただけませんか?電気関係は全く素人のため、どの線をつなげばいいのか全くわかりません。ぐぐってみたのですが、ファンの電源リード線の端子のピアサインが分かりませんでした。ファンからもいろいろなリード線が延びているんですね。
差し支えなければご教授いただけると幸いです。

マックスさん、いいですねぇ!ぜひ挑戦してみてください。
いろいろコツはあるのですが、とりあえず車用ラジエーターとホースの接続の話であれば、以下の通りです。

この辺のゴム栓でラジエターの口にあったもの
http://www.tech-jam.com/consumable/silicon-stopper-other/index.phtml
に、こういう工具で穴を開けます。
http://www.tech-jam.com/tools/tool-others/KN3136230.phtml
で、私の場合はプラグイン用の硬質チューブ
http://www.oliospec.com/item_detail/itemCode,SFT1080/
を通して、それにフィッティングを取り付けました。
上にあるこの辺の写真がその様子になります。
http://vladi.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2011/01/23/photo.jpg
ただやってみると、ゴム栓自体を写真のようにタイバンドで押さえつけるのはいいとして、チューブも少しずつ水圧で押し出されてスポッと外れてしまったことがありましたので、これもフィッティングごとタイバンドで押さえつけるようにした方が良いようです。ちょっと長めにして内側にもフィッティングを付ける、というのでも抜け防止になると思いますが。
ゴム栓と工具は、いずれもリンク先の通販で少量から売ってくれます。

以上、頑張ってください!

突然の書き込み失礼いたします。いつも貴サイトで勉強させて頂いております。
以前、パッシブラジエーターで屋外設置を行っていたことがありますが、引っ越しを機にやめてしまいました。こんど、再度引っ越すことになり、北向きの部屋(エアコン孔付き)にPCを設置することになりました。
これを機会に再度屋外ラジエーターを設置しようと思っておりますが、是非アクティブラジエーターに挑戦したいと思っております。
是非、車用ラジエーターとホースを接続するノウハウをご教授いただきたく、書き込みさせていただきました。
お手数でなければ、お返事いただければ幸いです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/570024/50665827

この記事へのトラックバック一覧です: 3DサラウンドPC製作 その4 屋外用巨大ラジエター:

« 3DサラウンドPC製作 その3 改装前棚卸し | トップページ | 3DサラウンドPC製作 その5 黒とメタリックの世界 »

フォト
無料ブログはココログ
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

ウェブページ